「車庫証明ってどんなときに必要なの?申請の流れや取得までに必要な時間は?詳しく解説します。」

車の購入時に車庫証明が必要なことは、車を持っている人ならばご存じでしょう。
ただ、「そういえば、ディーラーさんに何か書類を出したっけ」といった程度で、購入後はあまり気にされない方が多いと思います。
車庫証明は法令で定められた制度ですので、守らないと罰則があります。
購入時はディーラーさん任せで大丈夫でも、買換えや引越しのときに思わぬ法令違反をしないために、ある程度は制度を知っておくにこしたことはありません。
特に、車庫証明は車種や地域によって違いがありますので、ご自身の車に何が必要かは理解しておく必要があります。
そこで、今回は車庫証明制度の概要や申請の流れ等につき、わかりやすく解説します。
1.車庫証明の概要
⑴法令上の根拠
車庫証明とは、正確には「自動車保管場所証明書」といい、「自動車の保管場所の確保等に関する法律」(保管場所法)に定められています。
戦後の高度成長期に自動車が急増したにもかかわらず、車庫に関する定めがなく路上駐車があふれた結果、車の陰からの飛び出し事故多発・交通渋滞の常態化といった事態となったことを受け、1962(昭和37)年に同法が制定されました。
同法では、車庫証明について以下の通り定めています。
(保管場所の確保)
第3条 自動車の保有者は、道路上の場所以外の場所において、当該自動車の保管場所・・・を確保しなければならない。(保管場所の確保を証する書面の提出等)
第4条 道路運送車両法第4条・・・第12条・・・第13条に規定する処分・・・を受けようとする者は、当該行政庁に対して、警察署長の交付する道路上の場所以外の場所に当該自動車の保管場所を確保していることを証する書面で政令で定めるものを提出しなければならない。ただし、その者が、警察署長に対して、当該書面に相当するものとして政令で定める通知を当該行政庁に対して行うべきことを申請したときは、この限りでない。
つまり、自動車の保有者は、道路上以外の場所に保管場所(車庫・駐車場)を確保しなければなりません。
そして、道路運送車両法第4条(新規登録)・第12条(変更登録)・第13条(移転登録)を運輸支局から受ける際には、警察署長から交付された「自動車保管場所証明書」を提出しなければならないとされています。
⑵ 車庫証明が不要な地域
前述の通り、「自動車を登録するときは車庫証明が必要」が原則ですが、保管場所法施行令では「平成12年6月1日現在の特別区・市・町及び別表第1に掲げる村」以外では車庫証明が不要と定めており、別表第1に掲載されていない村(東京都檜原村・小笠原村など)では車庫証明が不要です。
なお、別表第1に記載されていない村が他市町村に編入された場合もこの定めは有効であり、例えば奈良市内であっても、旧月ヶ瀬村地域(平成17年4月に編入)では車庫証明が不要です。
なお、兵庫県では1962(昭和37)年4月1日に加古郡阿閇村(あえむら)が播磨町に改称されたことをもって、村がなくなりました。
なので、兵庫県内すべての地域で車庫証明が必要となります。
⑶ 軽自動車
保管場所法では、以下の通り軽自動車につき普通自動車とは異なる定めを設けています。
第5条 軽自動車である自動車を新規に運行の用に供しようとするときは、当該自動車の保有者は、当該自動車の保管場所の位置を管轄する警察署長に、当該自動車の使用の本拠の位置、保管場所の位置その他政令で定める事項を届け出なければならない。
つまり、軽自動車の新規運行の際は車庫証明取得が義務付けられておらず、警察署長への届出でよいとされています。
そして、その届出も地域によって要否が異なっており、車庫証明と同じく同法施行令で定められています。
ただし、車庫証明が「原則必要だが、一部の村では不要」とされているのと逆に、保管場所届出は「原則不要だが、特別区及び一部の市では必要」とされており、兵庫県では以下の10市で必要とされています。
神戸・姫路・尼崎・明石・西宮・芦屋・伊丹・加古川・宝塚・川西
⑷ 罰則
保管場所法には、以下の通り罰則が設けられています。

ここで気を付けなければならないのは、「自動車を道路上の同一場所に日中12時間・夜間8時間以上駐車すると、保管場所法違反として刑事罰の対象となる」点です(加えて、日中3点・夜間2点の違反点数が加算されます)。
これは、「道路上に自動車を長時間駐車する行為=道路を車庫代わりに使用する行為」とみなされるもので、一般的には「青空駐車」と呼ばれるものです。
いわゆる「路上駐車」(駐車禁止場所への駐車)の場合は道路交通法違反として反則金15,000円・違反点数2点加算(駐停車禁止場所での違反だと反則金18,000円・違反点数3点加算)という行政処分にとどまるのに対し、「青空駐車」だと刑事罰の対象となり前科がつく可能性がありますので、十分にご注意ください。
(もちろん、「行政処分ならばOK」という趣旨ではないのでご注意ください)
2.車庫証明取得の流れ
では、車庫証明はいつ、どこに申請すればいいのでしょうか。
⑴車庫証明の申請先
車庫証明は、自動車の保管場所を管轄する警察署の窓口に申請します。
なので、自家用車の場合は基本的に自宅を管轄する警察署で申請します。
ただし、正確には「車庫証明の申請先は保管場所で決まるが、車庫証明の要否は使用の本拠の位置で決まる」である点に注意が必要です。
「使用の本拠の位置」とは「自動車を使用する拠点」のことであり、車検証に記載されていますが、個人であれば居住地、法人であれば事業所所在地となるのが一般的です。
なお、居住地・事業所所在地(使用の本拠の位置)と車両の保管場所が離れているような場合、「居住地・事業所所在地が車庫証明不要地域であれば、保管場所にかかわらず車庫証明は不要」となります。
例えば、居住地が東京都檜原村であれば、駐車場(車両の保管場所)を村外(八王子市等)に借りていても車庫証明は不要です。
⑵車庫証明の申請から取得まで
警察での車庫証明担当は交通課なので、申請書類等の準備ができたら自動車の保管場所を管轄する警察署の交通課に申請します(警察署によっては、「地域交通課」といった名称のこともあります)。
交通課窓口の受付時間は基本的に平日の午前9時から午後5時までですが、都道府県や警察署によって若干の違いがあります。
また、申請時に必要な手数料も若干の違いがありますので、受付時間と併せて必ず事前確認することをお勧めします。
ちなみに、兵庫県の場合、どの警察署であっても受付は平日午前9時から午後4時までであり、手数料は2,200円を兵庫県収入証紙で納付することとされています(警察本部では申請できませんのでご注意ください)。
申請後、内容に問題がなければ中2~5日程度で車庫証明書が交付されます(兵庫県警の場合、書類提出時に交付日が指定されます)。
かつては、車庫証明書交付時に保管場所標章発行費用として500円が必要でしたが、2025(令和7)年4月1日に保管場所標章が廃止されたことに伴い不要となりました。
なお、申請から交付までの間に警察署による現地調査が行われます。
現地調査で問題があったときや、書類に不備があったときは、車庫証明書交付まで予定以上の日数がかかることがありますので、そのことを念頭に置き余裕をもって申請する必要があります。
ただし、自動車登録を行う運輸支局では、「警察署長による証明日から40日以内の車庫証明書を有効」として実務を行っていますので、早く取得しすぎて有効期限切れとならないようご注意ください。
⑶保管場所の変更
引越し・車庫の借り換え等により保管場所が変わったときは、15日以内に変更申請をしなければなりません。
申請先は新しい保管場所を管轄する警察署であり、必要書類等は新規申請の際と同じです。
自動車購入時と異なり、保管場所変更の申請はつい忘れがちですが、1⑷で説明した通り10万円以下の罰金となりますのでご注意ください。
⑷軽自動車保管場所の届出
1⑶で説明した通り、一部の地域では軽自動車の新規運行の際に警察署長への届出が必要です。
申請先や必要書類・申請方法等は基本的に車庫証明と同じです。
明確な申請期限は定められていませんが、「新規に運行の用に供しようとするとき」という趣旨から、軽自動車購入後直ちに届け出ることをお勧めします。
なお、引越し・車庫の借り換え等により保管場所が変わったときは、車庫証明と同様に15日以内に変更申請をしなければなりません。
ちなみに、兵庫県の場合、車庫証明と同様にどの警察署でも受付は平日午前9時から午後4時までであり、手数料は不要です(警察本部では申請できません)。
また、基本的には届出当日に手続きは完了しますが、書類審査に時間を要するため、できるだけ早めの時間に行くことをお勧めします。
今回は、車庫証明制度の概要や申請の流れ等につき説明しました。
(細かい要件や書類作成方法は別の機会に説明します。)
車庫証明申請には様々な書類が必要となるうえに、記載ミス等により手続きが遅れると自動車登録も遅れることとなり、違反時には罰則もありますので、悩まれたときはぜひ専門家にご相談ください。
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