
私事ですが、最近「墓じまい」を経験しました。
両親とも健在ではあるものの、墓所は四国の山の上にあったため、私の自宅に近い明石市内に移したものです。
ただ、実際にやるまでは、具体的なやり方どころか「墓じまいって何をどうするのか」「改葬とどう違うのか」など、よくわかっていませんでした。
そんな状況からのスタートでも無事に終了し、本当に肩の荷が下りてスッキリした思いです。
と同時に、私のように「お墓のことを何とかしたいけど、どうしたらいいかも、誰に相談したらいいかもわからない」とお悩みの方が非常に多いのではと痛感しました。
そこで、墓じまい・改葬の違いやその流れ・費用につき、わかりやすく解説します。
1.墓じまい・改葬とは
⑴墓じまいとは
「墓じまい」は法令用語でないため、明確な定義はありませんが、一般的には「墓石を撤去し、更地にした墓所を返還すること」とされています。
⑵改葬とは
「改葬」については、墓地・埋葬等に関する法律(墓埋法)に以下の定めがあります。
第2条
3 この法律で「改葬」とは、埋葬した死体を他の墳墓に移し、又は埋蔵し、若しくは収蔵した焼骨を、他の墳墓又は納骨堂に移すことをいう。
つまり、「ご遺骨を他のお墓等に移すこと」ですが、墓埋法には改葬の方法等についても定めがあり、罰則も設けられています。
よって、自分のご先祖のお墓であっても、勝手に改葬等を行うと罰せられることがあります。
⑶墓じまいと改葬の違い
本来の意味だけで考えると、墓じまいは「墓石を撤去し、墓所の使用契約を解除する」という物理的作業・書類手続であり、改葬のことは含まれていません。
ただ、墓所には通常ご遺骨がありますし、もし土に還られていたとしても、何もせず墓石だけを撤去することには抵抗感を持たれる方が多いでしょう。
よって、墓石撤去の際には改葬手続を併せて行うのが一般的であるため、最近では「遺骨を新たな場所に移すこと」まで含めて「墓じまい」と呼ぶケースも多く、「墓じまい」と「改葬」の違いは希薄になっています。
2.墓じまいの現状
近年、「終活」がマスコミ等で多く取り上げられるようになったことに伴い、「墓じまい」という言葉を目にする機会も増えました。
では、墓じまいの現状はどうなっているのでしょうか。
⑴改葬に関する統計
改葬数については、厚生労働省が「衛生行政報告例」の中で毎年集計しています。
それによると、
2004年度(平成16年度) 68,421件
2014年度(平成26年度) 83,574件
2024年度(令和 6年度) 176,105件
と、この20年で約2.6倍になっており、2024年度は過去最高を記録しました。
また、2014年度以降の10年間では、コロナ禍であった2020年・2021年度を除き増加し続けています。
1で説明した通り、「改葬数=墓じまい数」ではないものの、墓じまいが想像以上に増加していることがうかがえる数字です。
⑵増加の理由
墓じまいの理由は人それぞれですが、一般的には以下の理由が多いと言われています。
①お墓が遠方にある
お墓が遠方だと、「行く体力や手段がない」「費用や時間がかかる」等、様々な理由で行きにくくなります。
加えて、相続登記義務化による実家じまいの加速といった社会的背景もあると考えられます。
②お墓が不便なところにある
遠方でなくとも、長い斜面や階段を上る必要があるような山の中だと、年齢を重ねるにつれて行きにくくなります。
③子や孫に負担をかけたくない
子や孫にお墓を管理する負担をかけたくないので、なんとか自分の代で墓じまいしたいという声が多く聞かれます。
また、少子高齢化・晩婚化や、親戚付き合いの希薄化により、そもそも墓を継承してくれる人がいないというケースも多くみられます。
④管理する負担が大きい
お墓を管理するには相応の費用が必要であり、寺院墓地では檀家としての負担や奉仕を求められることもあります。
高齢化とあいまって、このような経済的・身体的負担を解消したいというケースも多くみられます。
3.墓じまいの流れ・費用
⑴墓じまいの流れ
お墓については個人の考え方・感覚の違いが非常に大きく、墓地管理者(寺院・自治体等)によってもルールが異なります。
そのため、はっきりとした決まりはありませんが、一般的には以下のような流れとなります。
①親族・関係者間で相談し同意を得る。
②墓地管理者に墓じまいの意向を伝え、手続等を確認する。
③墓じまいを依頼する石材店を決める。
④新たな納骨先・改葬方法等を決める。
⑤現墓所の所在する市町村に改葬許可証発行を取得する。
⑥現墓所からご遺骨を取り出す。
⑦改葬先に納骨する。
各手続の詳細については、別の機会に紹介させていただきます。
⑵墓じまいの費用
現墓地の状況・寺院の考え方や、納骨先・改葬方法等によって費用は大きく異なります。
また、やり方により手順は増減しますが、一般的には以下の費用が必要となります。

墓じまいには様々な考え方があるうえに、現墓所・新墓所管理者との調整から役所への申請まで多くの手続きがあります。
墓じまいについてお悩みの際は、ぜひ専門家にご相談ください。
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