- 警察関係許可等
- 2026年10月15日
「古物営業許可取得に必要な書類って?許可取得後はどんなことに気を付ければいいの?詳しく解説します。」
前回は、古物商許可取得の取得要件や申請方法について説明しま……

前回は、古物営業許可取得が必要なケースや取得要件について説明しました。
フリマアプリやネットオークションに自分の物を出品するだけならば古物営業許可は不要ですが、転売目的で購入した物を継続して出品するには許可が必要です。
「古物営業ってなぜ許可制?フリマアプリやネットオークションでも許可は必要なの?詳しく解説します。」
近年は、起業・副業志向の高まりや、爆発的なトレーディングカード人気等を受けて、許可を取得して古物営業を行おうとする人が非常に多くなっています。
加えて、金価格の高騰やリユース市場の拡大を受けて、街には買取フランチャイズ店が急増し、テレビでも連日CMが流れています。
その結果、古物営業許可件数は近年急増しており、警察庁の統計によると2015(令和7)年の古物商許可件数は614,118件と、5年前の2010(令和2)年の395,526件と比べ約55%も増加しています。
かくも人気の古物営業許可ですが、「許可」である以上、取るためには一定の要件を満たす必要があります。
今回は、古物営業のうち古物商許可取得の取得要件や申請方法について説明します。
古物商許可に限らず、許認可の要件は一般的に「人的要件」「物的要件」「財産的要件」という3つの観点から整理されます。
そこで、各要件につき見ていくこととします。
古物商は、営業所ごとに常勤の管理者を1名置くことが義務づけられています。
ただし、古物商自ら管理者となることもできますので、個人事業主だけで古物営業を立ち上げることも可能です。
管理者の要件については、古物営業法に以下の定めがあります。
(管理者)
第13条 古物商又は古物市場主は、営業所又は古物市場ごとに、当該営業所又は古物市場に係る業務を適正に実施するための責任者として、管理者一人を選任しなければならない。
2 (略)
3 古物商又は古物市場主は、管理者に、取り扱う古物が不正品であるかどうかを判断するために必要なものとして国家公安委員会規則で定める知識、技術又は経験を得させるよう努めなければならない。
つまり、必要な資格・実務経験等は特に定められていない一方で、「取り扱う古物が不正品であるかどうかを判断するための知識・技術・経験」を有することが管理者に求められています。
許可取得に際して、高価で犯罪被害品が混入しやすい取扱品目では知識や経験を厳格に問われる傾向があります。
なので、美術品・自動車等を取扱品目として申請する場合は、十分な実務経験を持つ人か、研修・講習会等を受講して最低限の知識を習得した人を管理者にするのが望ましいといえます。
ちなみに、自動車・自動二輪車・原動機付自転車を扱う営業所の管理者に求められる知識等については、「不正品の疑いがある車体・車台番号打刻部分等における改造等の有無、改造等がある場合にはその態様・程度を判定するために必要とされる知識等であって、当該知識等を必要とする古物営業の業務に3年以上従事した者が通常有し、一般社団法人等が行う講習の受講その他の方法により得ることができるもの」と明記されています(古物営業法施行規則14条)。
管理者は、「営業所に係る業務を適正に実施するための責任者」として各営業所に常勤・専従することが求められています。
なので、基本的には複数の営業所があればその数だけ管理者も必要となりますが、近接した営業所を統括管理し、いずれの営業所に係る業務も適正に実施することができるのであれば、複数営業所の管理者を1人が兼務することも認められています。
ただし、自宅から片道2時間以上かかるといったように、あまりに遠い営業所の管理者となることは常勤性を疑われるため、注意が必要です。
古物商は、営業所を置くことが義務付けられています。
この「営業所」の定義は古物営業法に定められていませんが、一般的には「古物の買い取り・仕入れ・交換・レンタルや保管といった営業行為に加え、契約の締結・帳簿の保管といった事務行為を行う拠点」と解されています。
このような営業/事務行為は業態を問わず発生しますので、実店舗を持たずインターネット上のみで古物営業を行うときでも営業所が必要です。
「実店舗がない⇒営業所が不要⇒古物営業許可も不要」ではありませんし、バーチャルオフィスのような実体のない場所だと営業所として認められませんのでご注意ください。
個人で古物商を開業する場合は、営業/事務行為の拠点となっている場所として、自宅を営業所とすることも可能です。
ただし、営業所である以上は秘密を確保できるだけの独立性が求められるため、家族等と同居している自宅では動線が十分に確保できないと営業所として認められない可能性があります。
同様の理由で、シェアオフィスやコワーキングスペースも営業所として認められない可能性があります。
古物営業においては、建設業許可等と異なり「〇〇円以上の資金調達能力」といったような財産的基礎・金銭的信用は特に求められていません。
なので、(仕入れ・買取のための費用や、事務機器購入・営業所賃貸費用等は別として)個人事業主が元手ゼロで古物商許可を取得し、営業を開始することも可能です。
他の許認可と同様に、「窃盗等の犯罪の防止」「被害の迅速な回復」という古物営業法の目的を達成するために欠格要件が設けられています。
つまり、他の要件をすべて満たしていても、欠格要件に一つでも該当すれば、古物商許可を取得することができません。
古物営業を行おうとする者(申請者)の欠格要件として、主に以下のようなものが定められています。
〇 破産して復権を得ない者
〇 特定の刑罰に処せられてから5年を経過しない者
〇 暴力団関係者
〇 住居の定まらない者
〇 特定の理由で古物営業許可を取り消されて5年を経過しない者
〇 心身の故障により業務を適正に実施できない者
〇 特定の要件を満たさない未成年者
なお、古物営業を行おうとする法人の代表者・役員や、管理者についても、ほぼ同様の欠格要件が定められています。
古物営業法では、「古物商を営もうとする者は、都道府県公安委員会の許可を受けなければならない。」と定めています(3条)。
つまり、古物営業許可の申請先は都道府県公安委員会であり、兵庫県であれば「兵庫県公安委員会」となりますが、「公安委員会」という役所を見聞きしたことはあまりないと思いますので、公安委員会につき簡単に説明します。
公安委員会とは、警察の民主的運営・政治的中立性を確保するために設けられた組織です。
これは、警察は強力な権限と執行力を持つことから、独善化や特定の権力による支配を避けるべく、都道府県知事の下に公安委員会を置き、県民の良識を代表する者として公安委員を選任する形となっています。
そして、古物営業許可だけでなく、運転免許証の発行・交通規制・風俗営業等、警察業務に関する様々な許可権限を有しています。
申請先については、古物営業法で「古物商の許可を受けようとする者は、その主たる営業所の所在地を管轄する公安委員会に許可申請書を提出しなければならない。」とされていることから(5条1項)、主たる営業所がある都道府県公安委員会に対して行います。
例えば、申請者の居住地が大阪府豊中市であっても、兵庫県神戸市西区に営業所を設けて古物商を行うのであれば、兵庫県公安委員会に対して申請することになります。
許可権限自体は公安委員会にあるものの、実際の事務は警察が行っているため、警察署で申請します。
そして、どこの警察署で申請するかは各都道府県で定められており、兵庫県警の場合は「営業所を管轄する警察署の生活安全許可事務を担当する課」とされています。
よって、営業所が神戸市西区であれば、神戸西警察署生活安全課で申請することになります。
ちなみに、生活安全課とは古物営業・銃砲刀剣類・風俗営業等の許可業務を扱っている部署ですが、それ以外にも防犯活動・DVやストーカー対策・悪質商法・行方不明者捜索・少年犯罪など警察組織内でも最も多岐にわたる業務を所掌しています。
よって、担当者が署外にいることも多いことから、申請に行く際は事前にアポを取ることが必須です。
営業所を管轄する警察署生活安全課に申請書類等が受理されると、そこから許可基準の調査が行われます。
兵庫県警においては、古物商の標準処理期間(許可等をするために通常必要とされる標準的な期間)は40日とされているため、申請から約40日後に許可証等が交付され、営業が開始できるようになります。
ただし、申請内容に問題があると警察から修正・追加書類提出等補正を求められますが、この補正期間は標準処理期間に含まれないため注意が必要です。
なお、兵庫県警の場合、許可申請手数料として19,000円が必要です。
納付方法は従来兵庫県収入証紙のみとされていましたが、現在は電子納付(クレジットカード・インターネットバンキング・コンビニエンスストア・PayPay)も可能になっています。
今回は、古物商許可取得の取得要件や申請方法につき説明しました。
古物営業許可の要件は決して厳しいものではありませんが、管理者の要件や営業所の動線等については申請時に細かく確認される可能性があります。
そして、スムーズに営業を開始するためには、補正を求められないよう正確かつ必要十分な申請書類等を準備する必要があります。
悩まれたときはぜひ専門家にご相談ください。
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