- 警察関係許可等
- 2026年9月18日
「古物営業ってなぜ許可制?フリマアプリやネットオークションでも許可は必要なの?詳しく解説します。」
近年、ネットショッピングをする機会がとても多くなりました。……

前回は、古物商許可取得の取得要件や申請方法について説明しました。
営業所や管理者の準備が整い、欠格要件にも該当しなければ、書類を揃えて営業所所在地を管轄する警察署生活安全課で申請することになります。
「古物営業許可の要件って?そもそもどこに申請すればいいの?詳しく解説します。」
では、申請の際はどのような書類を準備すればいいのでしょうか。
そして、許可を取得し営業を開始した後は、どのような義務を負うのでしょうか。
今回は、個人事業主が古物商許可取得に必要な書類や許可取得後の遵守事項につき説明します。
古物商許可取得に必要な書類は公安委員会(警察)が定めていますが、申請者が個人/法人のいずれかであるかや、都道府県によって若干違いがあります。
ここでは、申請者が個人事業主として古物商許可を取得するケースにつき、兵庫県警の書類を例にとって説明します。
許可申請の基礎となる書類であり、主に以下の情報を記入します。

「③行商」とは、「営業所以外で取引を行う営業形態」をいい、自宅への出張買取やショッピングモールでの出張販売等を行うときは「行商する」を選択する必要があります。
ただし、営業所以外の場所において古物商以外の個人・法人から古物を買い取る際は、相手方の住所・居所でなければならないという制約があります。
申請者本人に関する以下の書類を添付する必要があります。
① 最近5年間の略歴を記載した書面
所定様式に最近5年間の職歴等を記載します。
空白期間なく記載することが求められているため、「無職」「就職活動中」等であっても記載する必要があります。
なお、最近5年の間に経歴変更がない場合は、「令和〇年○月から 〇〇株式会社〇〇部勤務 現在に至る」といった形で記載します。
② 住民票の写し
日本人は本籍、外国人は国籍が記載されたもので、個人番号(マイナンバー)が記載されていないものが必要です。
③ 市町村長が発行する身分証明書
「準禁治産者に該当しない」「破産手続開始決定を受けていない」者であることが記載されたもので、本籍地のある市町村で発行されます。
運転免許証等のことではないのでご注意ください。
④ 誓約書
古物営業法が定める欠格要件(破産して復権を得ない者・特定の刑罰に処せられてから5年を経過しない者・暴力団関係者・住居の定まらない者等)に該当しないことを誓約するものです。
所定様式に住所・氏名を記載すればOKです。
⑤ (未成年の場合)法定代理人の許可等に関する書面
申請者が未成年の場合は、法定代理人の氏名・住所を記載した書面や法定代理人の許可を受けていることを証する書面が必要です。
管理者についても以下の書類が必要となります。
①最近5年間の略歴を記載した書面
②住民票の写し
③市町村長が発行する身分証明書
④誓約書
①②③の内容は申請者と同様です。
ただし、未成年は法定代理人の許可を受けても管理者にはなれないことから、④については若干内容が異なっています。
なお、営業所を複数設ける場合は営業所ごとに管理者が必要となるため、各管理者につき書類が必要となります。
ホームページを利用して古物取引を行う場合は、当該URLを使用する権限があることを疎明する資料を添付します。
プロバイダーから送付された「URL登録通知書」「ドメイン取得証」等、「登録名」「ドメイン」「発行元(プロバイダー名)」の3点が記載されているものが必要です、
なお、古物商開業後にホームページ利用取引を開始する場合は、開設から2週間以内に届け出る必要があります。
古物商許可取得・開業後は、以下の事項に留意する必要があります。
公安委員会から交付された「古物商許可証」を行商時等には必ず携帯し、相手方から求められたときは必ず示さなければなりません。
また、記載事項に変更が生じたときは書換申請、古物商を廃止したときは返納が必要となります。
営業所ごとに、利用者が見やすい場所に標識を掲示しなければなりません。
標識は、以下の通り様式が定められています。

また、ウェブサイトには氏名(法人名)・許可を受けた公安委員会名称・許可証番号を掲示しなければなりません(常時使用する従業員が5人以下の場合・ウェブサイトを有していない場合を除く)。
加えて、ウェブサイト上で取引をする際は氏名(法人名)や取り扱う古物に関する事項を掲示する必要があります。
古物商は、許可を受けた個人・法人が自ら営まなければなりません。
許可者名義で他人に営業させる、いわゆる「名義貸し」は禁止されています。
また、行商の届出を行っている場合であっても、古物商以外の個人・法人から古物を買い取る際は相手方の住所・居所でなければならないという制約があります(仮設店舗設置の届出を行えば、その場所で買い取りを行うことは可能です)。
加えて、訪問購入に関するトラブルが頻発していることから、以下のような様々な定めがあります。
〇飛び込み勧誘の禁止
〇相手方の依頼を受けて訪問する際も意思確認を実施
〇事業者名・勧誘物品の種類等の明示
〇度を越えた勧誘等の禁止
これ以外にも、取り扱う古物によっては他法令(廃棄物処理法・犯罪収益移転防止法等)の制約を受けることがありますので、確認が必須です。
古物営業法では以下の義務を定めています(いわゆる「防犯三大義務」)。
①相手方の確認義務
古物営業法の目的は、「盗品等の売買の防止・速やかな発見等」を図り、「窃盗等の犯罪の防止」「被害の迅速な回復」することです。
よって、盗品等が持ち込まれないよう、古物の買取等を行うときは「相手方の住所・氏名・職業・年齢」を確認しなければなりません。
この本人確認義務は、買取総額が1万円未満のときは免除されています。
ただし、換金目的の盗難が多い物品(書籍・ゲームソフト・CD・バイク等)については買取総額にかかわらず本人確認が必要とされています。
さらに、近年は金属製品の盗難が多発していることから、2025(令和7)年10月以降は一部の金属製品(エアコン室外機・電気温水機器のヒートポンプ・電線・金属製のグレーチング等)についても必ず本人確認が必要となりました。
なお、都道府県によっては、未成年からの古物買取が条例等で制限されています。
兵庫県の場合、青少年愛護条例において、「保護者の委託・同意がある場合を除き、青少年(法律により成年者と同一の行為能力を有する者を除く18歳未満の者)から古物を買い受けてはならない」と定められています。
なので、買取総額が1万円未満であっても年齢確認は必要となります。
対面の場合は、「身分証明書(運転免許証・マイナンバーカード等)の提示を受ける」か、「買取申込書に必要事項を記載してもらう」形で確認するのが一般的です。
他方、非対面(ウェブサイト利用・電話受付等)によるときは、運転免許証等のコピー送付だけでは不十分であり、主に以下のような方法を経て、併せて住所・氏名・職業・年齢を確認しなければなりません。
【非対面取引時における相手方確認方法の例】
〇押印された買取申込書とともに、印鑑証明書を送付してもらう。
〇買取代金を本人限定受取郵便の現金書留で送付する。
〇住民票・運転免許証のコピーに記載された住所に簡易書留等を転送不要で送付する。
②帳簿等への記載・備付義務
古物の買取等を行う都度、以下の事項を帳簿等に記載しなければなりません。
〇取引の年月日
〇相手方の住所・氏名・職業・年齢
〇古物の品目・数量・特徴
〇身分の確認方法
この帳簿等は、最終の記録をした日から3年間、営業所に備え付けて保管することが義務付けられています。
③不正品の申告義務
古物の買取等の際、不正品の疑いがあると認めるときは、買取総額にかかわらず直ちに警察官に申告することが義務付けられています。
古物を持ち込んだ人の態度(落ち着きがない、物品の説明ができない、遠方から持ち込んでいる等)や物品の状態(製造番号が削られている、新品を大量に持ち込む、保証書がない高額物品等)などに少しでも不審な点があれば、迷わず警察への連絡が必要です。
なお、盗品等と知りながら買取等を行った場合は、盗品等有償譲受罪として10年以下の拘禁刑及び50万円以下の罰金が科される可能性があります(刑法256条2項)。
許可証記載事項等に変更があったときは、営業所の名称・所在地・新設等であれば変更3日前まで、それ以外であれば変更後14日以内に届け出る必要があります。
なお、許可を取得していた個人が亡くなったときや、法人化するときは、新たに許可を取得する必要があります。
今回は、個人事業主が古物商許可取得に必要な書類や許可取得後の遵守事項につき説明しました。
古物営業法は防犯を目的としているため、許可取得前に十分に理解し、取得後も様々なことに配意しないと思わぬ形で犯罪に加担してしまう危険があります。
悩まれたときはぜひ専門家にご相談ください。
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