
昨年、「経営・管理資格が厳しくなった」という報道を目にされた方も多いと思います。
これは、改正省令基準が2025年(令和7年)10月16日に施行されたことによるものです。
では、省令基準では、何につきどのように定められているのでしょうか?
以前の記事では、省令基準のない就労資格につき触れましたが、今回から省令基準のある就労資格につき何回かに分けて説明します。
1.省令基準のある就労資格とは
復習になりますが、活動系の在留資格は、「在留資格該当性」「(省令)基準適合性」に基づき以下の5類型に分類されます。
①就労資格・省令基準なし
②就労資格・省令基準あり
③非就労資格・省令基準なし
④非就労資格・省令基準あり
⑤その他(特定活動)
日本で働かれている外国人の方の在留資格は②のことが多く、②はさらに13資格に分類されています。
今回は、このうち6資格につき説明します。
2.各資格の概要
⑴高度専門職
「高度の専門的な能力を有する人材として基準に適合する者が行う活動」であり、特定分野の専門知識・技能を有する外国人が該当します。
この資格は、「我が国の産業にイノベーションをもたらすとともに、日本人との切磋琢磨を通じて専門的・技術的な労働市場の発展を促し、我が国労働市場の効率性を高めることが期待される人材」と定義されており、高度外国人材の確保を図る観点から2015年に創設されました。
高度専門職は1号・2号に分類されており、1号は在留期間5年、2号は無期限とされています。
1号には活動内容により3つの類型があり、各類型の特性に応じて設けられた「学歴」「職歴」「年収」等のポイント合計が70点に達すると、「高度専門職」資格が認められます(高度人材ポイント制)。
イ)高度学術研究活動
ロ)高度専門・技術活動
ハ)高度経営・管理活動
「高度専門職」資格では、「複合的な在留活動の許容」「永住許可要件緩和」「配偶者の就労」「一定の条件下での親・家事使用人の帯同」等、様々な出入国管理上の優遇措置があります。
他方、「法務大臣が指定する本邦の公私の機関」という限定があるため、転職時は在留資格を変更する必要があります。
なお、1号資格で3年以上活動すると2号資格への移行が可能となり、さらなる出入国管理上の優遇措置があります。
⑵経営・管理
「本邦で貿易事業等の経営・管理を行う活動」であり、企業等の経営者・管理者(一般的には役員クラス)が該当します。
「経営・管理」資格の在留期間は5年・3年・1年・6月・4月・3月のいずれかとされています。
本資格は、「外国人の方が日本でビジネスを行う」ことが目的ですが、「高度専門職」「技術・人文知識・国際業務」資格のような経歴・学歴等に関する要件がなく、日本語能力も問われませんでした。
そのため、「日本に移住したい」「日本の不動産を取得したい」等の目的でペーパーカンパニーを設立したり、ブローカーを利用したりというように、実態が本来目的から大きく乖離していました。
そこで、本資格は2025年10月から取得が厳格化され、以下の要件を満たさない限り上陸が認められません。

これ以外にも、「専門家(中小企業診断士・公認会計士・税理士)による事業計画書の事前確認」「自宅兼事務所の原則禁止」「各種法令の遵守」等が求められており、本資格取得のハードルはかなり引き上げられました。
また、3年後(2028年10月)からは、資格更新時も本基準が厳格に適用されます。
⑶法律・会計業務
「法律上資格を有する者が行う法律・会計に係る活動」とされており、弁護士・公認会計士・行政書士等が該当します。
「法律・会計業務」資格の在留期間は5年・3年・1年・3月のいずれかとされています。
⑷医療
「法律上資格を有する者が行う医療に係る活動」とされており、医師・歯科医師・看護師等が該当します。
「医療」資格の在留期間は5年・3年・1年・3月のいずれかとされています。
業務内容により、「日本人と同等額以上の報酬」「日本の医療機関・薬局からの招へい」といった条件が設けられています。
⑸研究
「本邦の公私の機関との契約に基づく研究活動」とされており、公的機関や企業の研究者が該当します。
「研究」資格の在留期間は5年・3年・1年・3月のいずれかとされています。
「本邦の公私の機関との契約」が条件のため、日本の機関との契約に基づかないときは本資格に該当しません。
また、研究業務に従事していても、大学等における場合は「教授」資格、商品開発等が主業務であるときは「技術・人文知識・国際業務」資格となります。
なお、契約する機関に応じて、「一定の学位・研究実績」「日本人と同等額以上の報酬」といった条件が設けられています。
⑹教育
「本邦の教育機関における教育活動」とされており、中学校・高校の語学教師等が該当します。
「教育」資格の在留期間は5年・3年・1年・3月のいずれかとされています。
教育内容は語学に限定されませんが、大学や高等専門学校で行うときは「教授」資格となります。
なお、民間企業(塾など)で教育を行うときは「技術・人文知識・国際業務」資格となります。
ただし、学校と塾を掛け持ちしているようなときは、主たる業務内容に基づき資格取得し、従たる業務は資格外活動許可を得ることとなります。
今回の中では、「高度専門職」「経営・管理」資格については特に様々なチェックが必要となります。
在留資格につき疑問があれば、ぜひ専門家にご相談ください。
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